聖サティロ教会付属 聖マリア教会
知ってましたか…びっくり!アプシスが無い!!!!
路面電車の騒音や往来する人々それにカラフルなお店のショウウインドウにも目を向けずDUOMO広場からトリノ通りを進むと、100メートルあまり先の左側に、かわいらしい隠された宝石のような聖サティロ教会付属 聖マリア教会がある。
聖サティロは聖アンブロージョの弟であった。
聖アンブロージョはミラノの守護聖人であり、ミラノはアンブロジアーナ市ともよばれる。
伝説によると紀元後9世紀アンスペルト司教はこの近くの庭園に聖サティロ記念寺院を建てた。
現在残される教会の遺跡は少ないが、鐘楼はこの寺院があった事を証明している。
9世紀に庭園にあった小礼拝堂には聖母マリアの優美なフレスコ画が描かれたそうだ。
言い伝えによると、ある日、神を冒瀆するものが聖母マリアのフレスコ画に石を投げた。聖母マリアはそれによりなんと血を流し始めたそうである。この奇跡は沢山の人々を至る所から呼び寄せた。
それから時は過ぎ15世紀のルネッサンス時代、創造的と名高い建築家のドナートブラマンテはこの場所にT字型の聖マリア教会を建築する。(通常カソリック教会建築はラテン十時の形と決まっているのだが、ブラマンテはあえて上の出っ張りの部分を付け加えなかった。)
そして、彼はもとの少しだけ残された聖サティロ教会の厳格な形を優美にするため、丸い形の礼拝堂を取り付けることにした。
鉄の門をこえ、教会の正面玄関を入ると、3つの身廊が見える。まず真ん中の身廊に立ってみよう。
人の気配はあまりなく、静けさが漂っている。しかし、奥の突き当たりの祭壇から招かれるような感じがするはずだ。この祭壇の静かで神秘的な化粧漆喰のボールトが見える。
印象的なのは、祭壇の上に置かれた聖母子の母性愛に満ちたフレスコ画である。
良く眺めてみよう。いや、少しずつ近づいてみほしい。またもう少し…またもう少し…そうだ、やはりそうだ。
アプシス(後陣)は無いのだ。ある様に感じたのは目の錯覚だったのである。
実はこの建築家のブラマンテT字型にしたのには訳があった。もう一つ付け加えたかったこの出っ張りの部分は道路になってしまっていてどうしても付け加えられなかったのだ…革新的なブラマンテの匠の技により創られた祭壇から後陣までの距離はたったの97cmなのだ。唖然としたでしょう?
ブラマンテのお陰によりこの目の錯覚による平和的な短い夢が実現された。
これこそミラノの鼓動、”味わうミラノ”
ありがとうブラマンテ。
開館時間 月曜日〜金曜日 07時30分〜11時30分 15時30分〜18時30分
土曜日 15時30分〜19時00分
日曜日、祭日 10時00分〜12時00分 15時30分〜19時00分
住所 via Torino 17 20123 Milano MI
行き方 地下鉄 M1号線 及びM3号線 DUOMO駅
トラム 1 2 3 12 14 15 16 19 24 27